海と月の関係

なぜ海水は満ちたり引いたりするのか?月による潮の周期、光に集まる魚の習性など、漁に大きな影響をもたらす「海と月の関係」についてご紹介します。

海と月の関係

潮汐

潮汐力のしくみ

海水が周期的に満ちたり引いたりすることを「潮汐(ちょうせき)」といいます。海水面が最も低くなる時を引き潮・干潮、最も高くなる時を満ち潮・満潮といい、干潮と満潮とを合わせて干満(かんまん)といいます。「潮」は朝のしお、「汐」は夕方のしおを指します。

また、潮汐を引き起こす力を『潮汐力(ちょうせきりょく)または起潮力(きちょうりょく)』といいます。潮汐力とは月と地球、太陽と地球のそれぞれの引力に加えて、地球と太陽、地球と月の公転運動からおきる遠心力によって海の水が引き寄せられる力です。例えば、月から受ける引力は月に近いほうの力が強くなり、逆に、月の反対側では遠心力のほうが大きくなります。太陽から受ける引力や遠心力の場合にも同じことがいえます。月の潮汐力を太陰潮(たいいんちょう)、太陽の潮汐力を太陽潮(たいようちょう)といいます。

周期

このように潮汐力は、地球の表と裏側に起こるため、潮の満ち引きは地球の裏と表で同時に起こります。また、1日に2回潮汐が起こるのもこのためです。この潮汐力は太陽と地球と月が一直線に並んだ時干満の差が最も大きくなり、大潮となります。また、太陽と月が地球を中心に90度の角度をなす時が最小になり、小潮となります。長潮、若潮はこの小潮の状態から、中潮へ向かう時のことを言います。

一般的によく魚が漁獲されるのは大潮の時といわれています。これは大潮の時は干満の差が大きく、潮の流れが速くなり、潮の流れが速くなると、魚介類の食餌行動が活発になるとされているからです。海底のプランクトンなどの微生物が潮の流れで動き、それを食餌する小魚などの小型の生物が活発になり、さらにそれを食餌する大型の生物も動き出すためです。また、よく言われる「上げ三分」「下げ七分」という時間帯は、最も大きく潮が流れ、漁や釣りに有利だと言われています。

  • 大潮(おおしお): 潮の干満の差が大きな状態で、新月や満月の前後数日間のことを言います。
  • 小潮(こしお) :潮の干満の差が小さい状態で、月の形状が半月になる上弦や下弦の前後数日間のことを言います。
  • 中潮(なかしお): 大潮と小潮の間の期間です。
  • 長潮(ながしお) :上弦、下弦を1~2日過ぎた頃、干満差が一段と小さくなり、満潮・干潮の変化がゆるやかでだらだらと長く続くように見える小潮末期のことを言います。
  • 若潮(わかしお): 小潮末期の「長潮」を境に大潮に向かって、潮の干満差が次第に大きくなってきます。 このように潮が再び大きくなる状態を「潮が返る」ということで長潮の翌日を「若潮」と呼んでいます。

月と闇

アオリイカ漁

【写真:アオリイカ漁】

釣りや漁の対象魚であるアジ、サバ、イワシやイカなどは「正の走光性(そうこうせい)」と呼ばれる光に集まる習性をもっています。この光に集まる習性は、漁業技術にも利用されており光を巧みに利用した漁法が数多くみられます。

暗闇の中、魚群を探し集める灯船(ひぶね)、網を巻く網船(あみぶね)、獲れた魚を市場などへ運ぶ運搬船が船団を組んで操業するまき網漁業や、五島では水イカと呼ばれ、全国有数の水揚げ高を誇る漁火の中でおこなうアオリイカ漁も同様、暗闇の中、漁火を灯し、にアオリイカの光に集まる修正を利用した漁法です。一般的に街灯の下が夜釣りのポイントに挙げられるのは、灯りで釣人が釣りをしやすいだけでなく、魚の習性によるところも大きいと言われています。そのため、満月の頃は月明かりで、灯船の集魚効果が薄れてしまうため、「月夜間(つきよま)」(*満月の旧暦15日とその前後の休漁日)となります。一方、月の出ていない夜のことを「闇夜(やみよ)」といい、月夜間に入る最初の休漁日を「あがり」、月夜間後の最初の出漁日を「出闇(でやみ)」と言います。

このように海やそこに住む生物に大きな影響をもたらす月は、漁をするうえでとても重要な指針となっています。

掲載日:2007年4月30日

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